間宮商店 -海に幸あり、食の幸あれ。三陸塩釜の干物-無添加手作り五十年-

三陸産サバの仕入

年末年始は温かい感じがしましたがここに来て例年通りの寒さが来ています。

 

とは言っても、ここ10年〜20年で気温や海水温などが上昇していることも肌で感じます。
私が子供の頃は宮城県ではたくさん雪が積り、もっと寒かったような記憶があります。

水産業界にも影響が出ており、海水温が上昇したことにより、魚などにも多少影響が出始めております。
それは10月頃に最盛期を迎えていたサバなども今では12月頃になっていますし、何よりも三陸沖で揚がらなかったシイラやカマス、サワラなどの魚が揚がるようになっているのもその現れでしょうか。

間宮商店の主要魚種にはさんま、さば、真ほっけがありますが、去年は大変厳しい年でした。さんまは一昨年に引き続き不漁で魚価が高騰しましたし、真ほっけは5年前の1/5まで減り、お金を出しても買えないような状況になっています。

それでも取引関係者のご助力もあり、礼文島産の素晴らしい真ほっけを20㌧ほど仕入れることができました。

そのような状況ですと三陸の水産加工業者の期待は真さばに向けられました。

11月初旬から水揚され始めたさばは、中型もチラホラ見えますが、主体は400g以下の小ぶりサイズで加工業者の中には落胆した方も少なくないと思います。

漁況は水温やたくさんの要素で変わってきますので、今後の漁に中型、大型を期待しましたが、漁獲数量はまとまるもののサイズ的には振るわず小型サイズ中心の組成となりました。

そんな中、小型のさばの検品をしてみると例年と比べ身がしっかりしていており、結構脂がありました。通常年の400g以上のさばと同等か、多少乗っているくらいはあります。
そんな小ぶりのサバでさえ3年近くは生きていると思われ、その間に栄養豊富な餌場にたどり着ければこのように脂が乗る魚がいるのだなと感じました。

例年ではあまり仕入れないサイズではありますが、小型のサバに価値を感じ、お客様にも満足いただけるお買い得価格で美味しい干物を作ろうと仕入を起こすことに決まりました。

去年水揚げされたサバの原料がまとまったので検品し、仕入れる魚を選んでいきます。


この道65年のお魚大好き弊社会長も立会いロットを確認していきます。

今年は漁獲自体が比較的に多かったため50〜60のロットがありますがその中から数日に渡り良いものだけを選んでいきます。
また、別の機会にご紹介しますが、原料を供給してもらっているメーカーさんは非常にレベルが高く、魚の知識や加工設備など どれをとっても素晴らしいのですが、その中でも選りすぐりの原料を選んでいきます。

ちょっとマニアックになってしまいますが、確認するポイントは鮮度、脂ののりがメインに次の通りになります。

【鮮度の良し悪し】
①魚体を見たときに銀色に光っていること、白くなっていいるものはダメ。
②エラや内臓がきれいな赤色のものドス黒いものはダメ。
③お腹の中の黒皮がしっかりして骨が飛び出ていないもの、ゆるんでいたりするものはダメ。

【脂ののり】
①見た目で脂が乗っているもの
②肝臓や内臓に脂があるもの
③腹肉の厚さがあるもの

この他にも干し上がりや冷凍上がりなど細かい確認点はたくさんあるのですがザックリとはこのような形となります。

この商品は宮城や関東の量販店様にメインに2月ぐらいから供給されます。